ビジュアル

Low vision

What is Low vision

当院では、専門知識を有した医師と視能訓練士の連携により発達・成長期にある小児に必要なリハビリテーションあるいは主に成人の中途障害に対応するリハビリテーションを目的としております。

よりよく見る工夫、視覚以外の感覚の活用、情報入手手段の確保、その他の生活改善、福祉制度の利用、視覚障害者同士の情報交換等ができるよう情報提供し、諸種の助言、指導や訓練を行います。

病気やけがなどで視力が低下したり視野が狭くなったとき、眼科では検査で異常箇所を見つけ、必要な治療を行います。しかし、今の医学では残念ながら、治療効果が不十分で、視覚障害に至ることもあります。

障害の中には、視機能の全てが失われている事は少なく、わずかでも機能が残っています。その視機能を最大限に活用し、患者さんが自立し、可能な限り快適な生活を送れるよう支援する眼科医療や福祉のことを、ロービジョンケア(low vision care)と言います。

ロービジョン外来とは

Guidance

当院では、ロービジョンの方が求められるニーズを把握し、眼科としての立場から提供できる医療サービスに加えて幅広くサポートできる情報を適切なかたちで提供します。

日常生活でのニーズの把握と役割

  • 見る・読む・書くことの不便さを軽減する→視能訓練士による視覚的補助具の選択・使用訓練
  • 歩行・日常生活の行動などの困難を軽減する→歩行訓練士による指導
  • 仕事・学業に関しての経済的な不安の軽減→ケースワーカーによる支援
  • 心理面での不安などの軽減→心理専門家によるカウンセリング

眼科で行うロービジョン・ケアの実際

  • <医学的な管理> 視力・視野検査など一般的な評価
  • <視機能評価> 距離と読める字の大きさ(最大視認力)暗点と固視点の関係、ニーズの把握
  • <補助具の選定と指導> ニーズに応じた補助具の試用・選択
  • <福祉情報の提供・公的機関との連携> 障害者手帳の申請

医療費の給付

  • 補装具・日常生活用具の申請
  • 教育・就学指導

ロービジョンの子どもに対して

  • <視覚的評価> 日常的な行動評価・日常生活評価、年齢に応じた視機能評価の必要性(幼児・学童)
  • <視的学習指導> 「見る意欲」を高める工夫、「見る経験」を豊かにする援助、見る態度」を育て、視知覚の向上をはかる
  • <家族へのサポート> 障害の受容と認識を持ってもらう、入園・入学・進路相談

支援機関への紹介

ロービジョンによって生じる、日常生活や就労、学業など、ざまざまな面での支障に、ご本人やご家族だけで対処するのは大変です。問題を前向きに解決していくときに必要なのは、情報です。

その情報は、待っていても集まりません。例えば、インターネットを使って、ロービジョンケアに力を入れている医療機関や眼鏡店を探したり、視覚障害のある方の患者会活動に参加したり、方法はいろいろあります。いつも最新情報をキャッチできるようにしておくと、なにかと心強いものです。

Training

目の不自由な人にとって、視覚を補助する器具は欠かせません。ロービジョン補助具には、ルーぺ、拡大読書器、弱視眼鏡、単眼鏡、医療用カラーフィルターレンズなどがあります。

当院では、さまざまなロービジョン補助具の訓練、リハビリテーションを行っております。

拡大鏡(ルーペ)の選択

文字や遠くの物がぼやけてよく見えないとき、ルーペや双眼鏡などを使うとはっきり見えます。これは網膜に写る像が大きくなるからです。ロービジョンケアに使う拡大鏡(弱視レンズ)もこれと同じ原理で、凸レンズを使って像を拡大するものです。

拡大倍率が高いほど像は大きくなりますが、反対に一度に見える範囲は狭くなります。視力や使用環境ごとに、ちょうどよい倍率のレンズを選んで使い分けます。近くを見るときには卓上式や手持ち式のルーペなどを使い、少し離れた所を見るときには単眼鏡を使います。

視覚補助具の使用訓練
単眼鏡などの選択

単眼鏡などの選択

見えにくくなったところを、適切な補助具(ルーペ、単眼鏡、拡大読書器等)を使用して補いましょう。

光のまぶしさなどを自分にあった遮光眼鏡などで調整しましょう。狭くなった視野を眼球運動を行い、眼を動かして視野を広げましょう。

遮光眼鏡の選択

普通のサングラスではすべての光を一様にカットするので、視野が暗くなり物が見にくくなります。ロービジョンケアでは波長が短くて眼の中で散乱しやすい青色の光だけをカットし、まぶしさがなくなる遮光メガネをおすすめします。

遮光眼鏡の選択
拡大読書器の選択

拡大読書器の選択

手紙や本などをスキャナーや小型カメラで読み取るなどして、それをテレビやパソコンの画面に拡大表示する器械です。数社から販売されていて、拡大倍率の範囲やその設定方法、オートフォーカス(自動焦点)機能のあるなしなど、性能にそれぞれ特徴があります。

タイポスコープ、罫線スリット

文章を読み書きするときに、スリット入りの黒い厚紙を当てると、行末から行頭へスムーズに視線を移動できます。

その他の視覚補助具

電子ルーペ 新聞、本、書類などの小さな文字を拡大してテレビ画面に映し出します。
弱視眼鏡 眼鏡式遠近用弱視鏡は、メガネに弱視レンズを装着して拡大を図る補助具です。
医療用フィルターレンズ 網膜色素変性症や白内障などによる光過敏やコントラストの喪失、暗順応低下など、眼疾患の症状をオールマイティにカバー。
活字文書読み上げ装置 ワープロや印刷物の活字文書を、同じ紙面に印刷されたSPコードから音声で読み上げる装置です。
音声読書器 原稿台の上に印刷物を乗せて、カンタン操作で内容を音声で読み上げます。
オートフォーカス拡大鏡 メガネタイプのオートフォーカス拡大鏡です。

当院では、専門知識を有した医師と視能訓練士の連携により発達・成長期にある小児に必要なリハビリテーションあるいは主に成人の中途障害に対応するリハビリテーションを目的としています。

よりよく見る工夫、視覚以外の感覚の活用、情報入手手段の確保、その他の生活改善、福祉制度の利用、視覚障害者同士の情報交換等ができるよう情報提供し、諸種の助言、指導あるいは訓練を行います。